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一遍作「踊念仏和讃」か、15世紀の写本(読売新聞)

 すべてを捨ててただ南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と唱えよと説いた時宗の開祖・一遍(1239~89)が作ったとみられる「踊念仏和讃(おどりねんぶつわさん)」が記された室町時代(15世紀ごろ)の写本が、大阪府河内長野市の真言宗御室派大本山金剛寺で見つかった。

 一遍は、所持していた経典類を死去の前にほぼすべて焼いたとされ、著作は残されておらず、現存するのは後世の伝記や法語集などわずか。新史料が見つかることはないと考えられてきた。

 落合俊典・国際仏教学大学院大学教授らが、2003年から本格的に実施している金剛寺の総合調査でわかった。

 和讃は仏教讃歌の一種で、仏や菩薩(ぼさつ)などを褒めたたえた七五調の句であることが多い。節をつけて歌ったとされる。

 木版刷りした法華経の裏面を半分に折って15枚を袋とじした冊子本で、縦26センチ、横20センチ。空也(903~72)や源信(942~1017)の教え、浄土宗の開祖・法然(1133~1212)の伝記とともに42首が記されていた。その末尾には「元亨二年(1322年)九月二十九日書写了」とあるが、落合教授は紙質などから約100年後の書写とみている。

 「南無阿弥陀仏ト唱ウレハ 無上ノ功徳ソアラハルゝ」「歓喜踊躍(かんぎゆやく)ノ心ニテ ヲトレヤヲトレ小児トモ」などと七五調で、和讃の中でも極めてわかりやすい。「円(まどか)ノ一理ヲサトリツゝ カトタムレタル小児トモ」には、門の前の田に群れる子供たちの輪が、すなわち悟りの円だとの意味が込められているという。

 落合教授は、「踊念仏和讃」が一遍の法語を後世にまとめた「播州法語集」に続けて記されている点、空也や源信、法然と、一遍が師とした高僧の記述がまとめられている点、当時、踊り念仏は異端視されており、ほかに作者が考えられない点などから、一遍作と判断。「子供を対象にした和讃としては日本の仏教文学史上最も古い内容ではないか」とみている。

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